やきものの故郷は湖?

やきものに限らず、良質な製品が生まれる為には良質な材料が必要です。


また、それに加えて産地として成立する為には大量の材料が必要です。

なぜなら均質で大量の材料が均質で安定した物づくりの条件であるからです。


やきものの場合は土が違えば耐火度や可塑性、収縮率など

焼成や造形に関わる様々な要素や条件が異なりますから、

その度に新しい材料ではまともな焼き物作りすら不可能になってしまいます。

性質が分かっている材料を使うからこそ、

経験が蓄積されて優れた製品が生まれるわけです。


焼き物の材料となる土、いわゆる粘土ですが、正体は何でしょうか?

その正体は岩や石が風化して非常に細かくなったものです。

岩や石が極限まで細かくなり、しかもそれが集積される場所・・・

それは湖沼以外には有り得ません。


流れのある川ですと微細な粒子である粘土は洗い流されてしまい、

沈殿もできずに下流に流されてしまいます。

流れが淀む場所、そこのみに粘土は大量に蓄積されます。

その場所が地殻変動で地表となり、材料の産地となるわけです。


日本の有名な大産地の瀬戸(愛知)、美濃(岐阜)は太古の昔には大きな湖がありました。

産地こそ違えど、同じような材料を使っているわけです。

実際、瀬戸美濃は峠一本超えただけの隣接地域です。


同じような兄弟産地に信楽(滋賀)、伊賀(三重)がありますし、

海を隔てた万古(三重)、常滑(愛知)というパターンもあります。

関東の益子(栃木)、笠間(茨城)も峠一本です。


悠久な大地の営みから生み出された焼き物の材料である粘土。

農業とは別の意味で大地の恵み、大地の贈り物と言えるかもしれません。


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